ノイズ対策用コンデンサの選定は、容量ではなくインピーダンスの周波数特性で選定する。 ・静電容量とESLが小さいと共振周波数が高くなり、高周波領域でのインピーダンスが低い。 ・静電容量が大きいほど容量性領域のインピーダンスは低い。 ・ESRが小さいほど共振周波数におけるインピーダンスが低い。 ・ESLが小さいほど誘導性領域におけるインピーダンスが低い。 コンデンサによるノイズ対策に行う場合には、コンデンサの特性をよく理解することが大切です。この図は、コンデンサのインピーダンスと周波数の関係を示したもので、コンデンサの基礎として必ず出てくる特性の1つです。 コンデンサには静電容量Cだけではなく、抵抗成分であるESR(等価直列抵抗)、インダクタンス成分のESL(等価直列インダクタンス)、静電容量と並列に存在するEPR(等価並列抵抗)が存在します。EPRは電極間の絶縁抵抗IR、もしくは電極間に漏れ電流があることと同じ意味です。IRが使われることが一般的かもしれません。 CとESLで直列共振回路を形成し、コンデンサのインピーダンスは図のように基本的にはV字型の周波数特性を示します。共振周波数までは容量性の特性を示しインピーダンスは低下します。共振周波数でのインピーダンスはESRに依存します。共振周波数を過ぎるとインピーダンス特性は誘導性に変わり、周波数が高くなるにつれてインピーダンスは高くなります。誘導性のインピーダンス特性はESLに依存します。 共振周波数は次の式で算出することができます。 この式は、静電容量が小さくESLが小さいコンデンサほど、共振周波数が高いことを表しています。これをノイズの除去に当てはめると、静電容量が小さくESLが小さいコンデンサほど、より高い周波数でインピーダンスが低いので、高周波ノイズの除去に優れることになります。 説明の順が前後してしまいましたが、コンデンサを使うノイズ対策は、コンデンサの「交流は通過し、周波数が高いほど通過しやすい」という基本特性を利用したもので、不要なノイズ(交流成分)を信号や電源ラインから、例えばGNDにバイパスするものです。 以下の図は、静電容量が違うコンデンサのインピーダンスの周波数特性です。容量性領域では静電容量が大きい方がインピーダンスが低くなっています。また、静電容量が小さいほど共振周波数が高く、誘導性領域におい...
音と、音楽の感動にかこまれ我が身の涵養にはげむ!趣味をとうしての自己研鑽、人生の残り物に無断しないで楽しむ。自己満足高い目線での勝手な投稿、崇高な真空管アンプの世界に言いたい放題です。